お飾りの一日

 母親同士が親友、の友達の結婚式。近頃暴落の途にある私の見せ物としての価値をなんとか高めるべく、母が朝から奮闘。恒例のこと、母の装飾品としてまだ役に立つというのならせめてもの親孝行として務めは果たすが、今日は披露宴で正面に座った夫婦に息子が居ると知った途端猛烈に娘の売り込みを始めたのには辟易した。ごめんねー、焦らせてるんだよねぇ。
 帰り道、あの奥さんあんたのことえらく気に入ってたわねと一人喜んでいたが、私にはとてもそうは感じられなかった。黙って座ってれば良くても、ちょっと喋ればこの子ちょっと違うわねえというのがわかっちゃうもんなんですよ。
 浅はかで主観的で罪のない、子供のことが大好きな母を喜ばせてあげたいとは思ってるんだけど。せめて優しく接しようか…。