今週は豊作

火曜日に代休をとった。疲れていたし一日だらけるつもりだったのだが、母に誘われ久々にシアター訪問、「レント」を観た。その後、早速秋の来日舞台のチケットを確保。物語としては予定調和なのだが、ミュージカルの魅力はそこじゃないっす。すばらしかったっす。


水曜は「ニュースの天才」DVDレンタル。ヘイデン・クリステンセンがニュース記事をねつ造する、実話をもとにした話。自分と近い世界の物語というのもあり、出た当初からものすごく気になっていて何度も手にとったのだがそのたび母の「たいして面白くなかったよ」という声が響いて棚に戻していたもの。やっと借りて帰って観ることができた。
……手に汗にぎるどころの騒ぎじゃなかった。観る側のポジションによってまるで感想が変わるんだなというのがよくわかった。確かに、人が死ぬわけでも失恋するわけでもなく話は淡々と展開される。ただ人が喋ったり歩いたりインターネットで検索したりしているだけなので、話が小さくて盛り上がりに欠けると感じられるのだろうというのも非常によくわかる。でも私にとってこの映画はエクソシストよりよっぽどスリリングで恐ろしくて見応えがあった。自分の書いた記事が事実と違うものであったことが発覚する恐怖というのは、ちょっと他の恐怖と並べて語れるようなものではない。生きた心地がしない。劇中でクリステンセンや編集長が直面している恐怖が現実の自分にリンクしてまじで針のむしろを感じ、英断を下した編集長に拍手の念を送り、満足感とともにエンドロールに浸ったのだった。
クリステンセン演じる主役の見苦しさは目を背けたくなるほどで、でもその心理状態や発露の仕方は自分におきかえて想像できる。記事を書く(世に出す)職業の人間が何にどれほどの恐怖を抱くのか、興味がある人にはおすすめしたい。自分の書いたものが世間に出ている限り、常にこんなような恐怖にさらされながら生きています。