大グモとの戦い、母娘間の戦い

 最近、うちの玄関にちょっと大きなクモが棲みついている。大きさは手のひらをいっぱいに広げたくらいで、身の質量もかなりありそう。昆虫館とか(昆虫じゃないんだっけ?)にでもいたほうが相応しそうなヤツだ。でも大抵はどこかに隠れていて、夜中とかにひょっと玄関内の電気をつけると、壁にいる。が、目を離したすきにいなくなる。そう隠れるところもなさそうなのに普段いったいどこにいるのか謎だ。
 さて、今までうちでもっぱら害虫退治にあたっていたのは私だったので、母親はこの週末中に私がクモを追い出してくれる事をとっても期待している。でもですね、うちにはもういい年した弟(ただし虫嫌い)もいるんですよね。女に馬鹿にされないように、彼の将来のためにもいいかげんこういう虫仕事は引き継いだほうがいいと思うんですよね。良い機会なので、今回はこの任務を弟に与えようと思うわけです。しかし母親の言い草はこうだ。「りょうちゃんはダメ!トラウマにでもなったらどうするのよ」子供の成長を妨げるバカ親の典型。はたちにもならんとしている息子を小学生の如く認識している。弟は虫が苦手とはいえ、必要となれば頑張って戦おうとする意思は見えるのだが、母親がそれをさせないのだ。これは弟にとって非常にためにならないので、姉としてここは譲れない。「絶対に奴にやらせる!」「ダメ!りょうちゃんにやらせるくらいならおかあさんがやる!」「それじゃ意味ないんだってば!てかかーさんだって無理でしょ!」クモ退治用に引っぱり出したハタキを手に、睨み合いが続く。