演出小道具:ケーキ

 あんまり「おお」と思う場面のない人間の証明、しかし今クールの中ではこれがいいと思うので見てます。では、時間がないので一つだけ。自分にとって反吐がでるほど不愉快になる演出、それは悲劇の場面+ケーキ。同じく+プレゼント、誕生日、クリスマス等。中でも最たるものがケーキね。出てきたが最後100パーセント踏みつけられてぐしゃっとなるやつね。これが真面目に使われた時点で、制作者のレベルを見切ってしまいます。だって昨日なんてもうそりゃ最悪の悲劇よ、幼子の目の前でたったひとりの親である父が理不尽な暴力で殴り殺されてるのよ、この上なぜ「潰されるケーキ」なんていうすり切れまくった小道具が必要なのか。私はもともと、幸せからの急降下ジェットコースターをさらにドラマティックにしようという魂胆が見え見えの演出に出会うとすぐに興ざめする人間なのですが、それが新鮮で効果的なものならばまだ良い。ですが、ケーキすか。これが加わった途端、悲劇がただの茶番になる。その現場ちかくに犬がいた、その記憶のために犬が嫌いなのだ、それはわかりました。それが昨日の捜査におけるハプニングのきっかけになったわけでまぁ意味があるっちゃありますね。当然ケーキもお嫌いなのでしょうけど、今後ケーキがドラマに何らかの意味を及ぼすものとなるならば「なーるほど、ポンッ」と膝も打ちましょう。その小道具が、使い古された感ありありのケーキでなければならなかったという必要性が大きく感じられれば尚良し。