ゴールディング蝿の王」。戦争中、疎開先へ向かう子供達を乗せた飛行機が無人島に不時着。子供達は曲がりなりにも規則を持つ子供だけの「社会」をつくって前向きに生活を始めるが、次第に人間の心に住む悪魔の存在が露に(悪魔ベルゼブル蝿の王)。そして、ネバーランド然としていたはずの島は、大人達の世界と同じ恐るべき戦場へと変していく。
 人間のシンプルな核を知るには、人間愛を謳った数々のビッグセラーよりもこの本を読んだほうがよっぽど為になるんじゃないでしょうか。ああ人間ってそうなるだろうな、こうなる人もいるだろうしああなる人もいるだろうな、という普通の事がすごく端的にわかりやすく書かれています。中・高生に読ませたい感じ。怖いけど、普通の物語です。で、こういう物語を普通の出来事として消化する自分はやっぱりダークサイドに立って生きてるんだろうなぁ、というのが超私的な感想。