埋まらないなら

 埋まらなくていい。見ていればいいじゃない。相手と、自分を。見てしまうのなら、見ていればいい。むかついたり、悲しんだりすればいいんじゃない。それも、時につれ変わって行くなかで唯一の形なんでしょう。
 今聞こえている音を、見えている景色を、言葉にすることができたなら。その音で、景色で誰かを包むことができたなら。私は安心して眠れるだろう。