インフル明けのPに、打ち合わせに向かうタクシーの中でえんえんと「1年で辞めるのはキャリアにならないから全然賛成しない」だの「じゃあ4月になったらもう二度とサカザキちゃんはうちのビルに入らないし全く関係なくなるってことだな」だのとしかめっ面で言われ続けむっとする。むっとしてそれが口をついて出そうになった時、ああこれは引き留めてくれてるってことなのかと危うく気づく。辞めて何したいんだと問われて京都の尼寺に一ヶ月篭るんですと答えると、なんだそんな事なら一ヶ月休ませてもらって戻ってくればいいじゃない今から言えば大丈夫だよ俺が部長に言うから、と言われ「あ、その手があるのか!」と一瞬思った自分が憎い。
 それにしてもやっぱり、一番多く組んだこのPと離れるのが一番淋しいし心苦しいっす。もう次決まってるんです!って言えちゃえばお互い諦めもつくんだろうなぁ。申し訳ないっす。