朝の森の匂い

 今朝ひさびさに、起きてからも匂いの残っている夢をみた。自分はまだ10代、仲間と4人で、朝靄のうすぐらいなか森を走る線路をたどって歩き出そうとしている。この先には線路そのもの以外に足場のない一定の区画があって、たぶんそこを歩いているときに後ろから列車が追ってくるだろう、生き残るためにも自分達ははやく出発して列車がくるまえにその区画を渡りきらねばならない、そうしないと誰かが犠牲になる。という予感があり、どれだけ急いだとしても確かに誰かが死ぬだろうという確信めいたものもある。でも自分達が今からここを歩くのはもう決まったことであり、それは変えられないしたぶん誰かが死ぬのも避けられない。それはそれとして、とにかく今森に包まれたこの線路上の空気のすがすがしいことに幸せを感じている。
 スタンドバイミー*1ですね。夢の中でも、自分はいったい誰の役回りだろうとか考えてたような。
 出発点から歩き出したところで夢は終わったのだが、伸びて伸びて左右の森に呑み込まれて行く、朝靄につつまれた線路のイメージが消えない。あそこに戻りたいとさえ思う。どこだあれは?

*1:スティーブン・キング原作の思春期映画。ホラーではない。