私の本の愛し方

id:lluviaさん周辺で本の扱い方について盛り上がっている。私の扱い方は、汚いです。指が切れるくらいにぴしっと断裁されたばかりの本を自分の手でうにょうにょにしていくのが好き。熱帯夜に部屋で読書に没頭し、一枚一枚ページをめくるごとに同じ箇所についていく指の湿気によって微妙にうねった本なんてもう絶対に捨てられない。これぞその本に対する愛情の証拠。だからすごいわかります→http://d.hatena.ne.jp/yukodokidoki/20041023#p1
風呂でのハードカバー本の読み方なんてものすごく真似したいんだけど、いかんせんど近眼の私には顔にくっつくくらい近くにかざして読むしか術がないので無理なんですよね。だから文庫本に限られるし。最近は、やっぱり風呂ではぼーっと音楽聴くのが一番かなぁ、と思っています。

私が好む文庫本の質感を挙げてみる。細かすぎてキモいだろうなというのは自覚。
古い時代のものっぽい(古書という意味ではなく)やつが好きです。
紙質……基本的に、買ってからの歴史がわかるような、味の出やすい、変化していきやすい紙。それは劣化しやすいってことでもあるんだけど。
具体的には
・空気にふれやすい外側部分が黄ばんでグラデーションになる。
・薄いぺらぺらの紙で、繊維がたまに浮いていたりする。
・色は白より黄味が強いもの。適度な光沢があると良い。
・紙の断面は断裁したてで、すぱっと真っ直ぐよりはぎざぎざしてるもの。
文字……上からつぶしたようなちまちまと見難いやつが好ましい。質の悪いワープロで打ったみたいに、微妙に揺れがあって字によって濃さが違ったり、紙の裏に文字が透けてる箇所があったりすると最高。要するに昔の技術でやってるっぽいやつね。
今はわからないけど、10年くらい前によく買っていた創元推理文庫にこの条件をわりと多く満たしたものが多かった。でも最近は、アガサ・クリスティ文庫?等のように「読みやすさ」の工夫で文字が大きいものが増えていて、愛してやまない「つぶれて見難い」文字の本に出会うことが少なくなって非常に寂しい。まぁ、そりゃ読みやすいに越したことはないんでしょうよ。
ああ、中禅寺秋彦京極堂)のような生活を送りたいよ。