雨がふります、雨がふる。

 綾辻行人「霧越邸殺人事件」を読了したばかりだからなのか、この気候も味わい深く思える今日この頃。ちょっと前に初の綾辻作品「時計館の殺人」を読みいまいちピンと来ず、まもう一冊くらい読んどくかと選んだやつが当たった。物語の雰囲気がこの季節に合っていて、なかなか浸れた。ただこの本もそうだったのだが、なんか淋しいなぁと思うのは、推理小説を多く読んでいくと序盤から犯人がなんとなくわかってしまう事が多くなること(なんとなく、がミソ)。だからここ数年もうあんまり驚けない。「びっくり犯人!」は言うまでもなく推理小説において重要な醍醐味のひとつなわけだが。わかってしまうと言っても、推理して自分で犯人を当ててやる!という読み方は昔から全然していなくて、そういうのがめんどくさいのでろくに考えず先に進むという読み方なのだが、それでもトリックとかすっ飛ばして構成や雰囲気から見えてしまうのですね。だから、最近はもっぱら全体の雰囲気とか持っていき方で楽しめるかどうか、になっている。そういう人多そう。