PHYCHO

 恥ずかしながら自分初のヒッチコック作品「PHYCHO」を観た。精神異常者「サイコ」の言葉を世界に広めた、今のサイコスリラーの草分けといえる映画。感服いたしました。これを40年以上前に作ったなんて凄すぎる。プロットもさることながら、撮り方が。見せ方が。絵が。キューブリックの「博士の異常な愛情」観てモノクロいいなーと思い、その関連でヒッチコックにやってきたのだが、この「サイコ」はカラーでいけたものをあえてモノクロにこだわったのだとか。もう、モノクロの持つ美しさ、迫力が見事に発揮されています。もうこんなのはさんざん言い尽くされたことだろうけど。ほんとにすごい。
 様々ないわゆる「サイコキラー」の型を読んだり観たりして知っている現代人からすれば、犯人は誰かとか謎解きがどうの、というのに大した驚きはないのだけど、異常な映画で溢れる現代でも「サイコ映画の草分けにして最高傑作」と呼ばれる所以がよくわかった。私は今まで約四半世紀、ヒッチコックを見ずしていったい何を観てきたんだまったく。