水玉の女

 私は地味女である。無地女である。モノクロまたはアースカラー女である。それが何をトチ狂ったか、この夏のバーゲンでは色・柄ものを買った買った。最初のうちは細かい水玉のキャミソールといった大人しいものだったのだが、どんどん大胆になり、ポール・スミスの半額バッグを買った頃には収拾がつかなくなっていた。バッグを買い、どうも最近水玉をよく見るなぁと思いつつ帰宅したらば我が部屋は水玉だらけ。ピエロん家? うすうすそんな気はしていたのだが、水玉ばっかそんなにあっていいもんじゃないでしょー! (コカコーラCM鶴田真由の叫びをイメージ)と一人キレてみても後の祭り。ま柄物にはバーゲンでしか手が出ないというのもあるのだが、とにかく今回の偏りっぷりはひどかった。おかげさまで、毎日のコーディネートには四苦八苦、というか失敗量産。だってひとたび水玉カバンを通勤に使ってしまうと、次の日の服に合わせて他のカバンに入れ替えるのとかめんどくさいじゃない。なんつってる時点で洒落者失格は承知なんですが、で、ハッと気づくと水玉の上着に水玉のカバンとかになってるわけよ。そんな日は寄り道も出来ず、小さくなって直行直帰しかないわけよ。もう恥ずかしくて。じゃぁ前の日に考えて服揃えておけよって話なんだけど、たまにはするんだけどね、やはり難しいわけです。気質的に。はぁ。頑張ろう。
 もうひとつ悲しい話があって。夏始め、自分としてはけっこう出費でミカン色の皮の腕時計を買ったのね。無地、モノトーンにひとつアクセント、映える!と思い。評判も上々でほくほくしてたのに、気づけば他の色、柄に埋没ですよ。というかウルサさプラスですよ。かわいそうな時計。この時計のためにもっとお父さん頑張ろう。