今日もエラリィ

先日、エラリィ・クィーン国名シリーズの中で最も好きなのは「ギリシア棺の謎」と書きましたが、今まで読んだ全作品中に広げてベスト３をあげるとすると「ギリシア〜」「Yの悲劇」「九尾の猫」（順不同）。他の二つに比べるとあまり名が売れていない感のある「九尾の猫」について。推理小説において「最後にあっと驚く犯人」という要素は勿論最重要科目のひとつだけど、「どうも怪しい、怪しいんだけどなかなか尻尾がつかめない」というのも読者を息もつかせず引っ張る魅力的な展開。この作品は、後者のものすごく面白い型だと思う。けっこう最初から、怪しげな人はいるんです。だけど探偵がどう頑張っても相手を捕まえることができない。なぜなら相手は九尾の猫だから。この心理戦、頭脳戦にしびれまくりました。で、では最後の衝撃が無いかといったら、それがそうでもないんだな。この「九尾」は他にもいろんな要素が絡まっていて、とにかく面白かった。