まんをじして

fuksia2005-11-01

 隣室でも聞こえるらしい夜中の咳を見かね、祖母が満を持して伝家の宝刀を抜いた。我が幼少の頃から咳風邪をひくたびに飲まされてきた恐怖の飲み物、はちみつだいこんである。細かく切った大根を一日蜂蜜に浸け、大根エキスを余すところなく蜂蜜に溶け込ませたもので、その味はたくあん、喉ごしは水っぽいゲル。大人になって、ようやく涙目にならずに飲めるようになってきた。
 しかし効いてるんだか効いてないんだかが何年たってもまるっきりわからない。というかたぶん効かないのじゃないかという気がする。が、おばあちゃんは毎度それを「効くんだから!」と嬉々として作ってくれ、私もそれを飲んだが最後必死で咳をこらえる(こらえきれない場合は布団の奥底に潜る)ため対外的にはものすごく効くことになっている。いや、きっと効くんだな。ありがとうおばあちゃん。